人工授精の流れとは?

精子減少症や精子無力症で精子に障害がある場合、タイミング療法をおこなっても妊娠できない夫婦に適応されることが多い人工授精について本日は全体の流れ、実際にかかる費用、妊娠の確立についてお伝えしたいと思います。

最近では、男性側と女性側の両方に原因があることや、年齢の影響、世間でも不妊治療の方法などが知られることになり、特別なことではなくなってきました。

現在では、6組に1組が何らかの不妊治療の経験があると言われています。不妊治療にはその原因により様々な方法があります。その治療のひとつである人工授精(AIH)の流れについて詳しくご説明します。

人工授精とは

人工授精とは

人工授精には、配偶者の精子を用いる配偶者間人工授精(AIH)と、配偶者ではない第3者の精子を用いる非配偶者間人工授精(AID)があります。ここでは、配偶者間人工授精(AIH)についてお話します。

適応

不妊症の治療を始めると、男性側や女性側の不妊原因や年齢、ホルモンの値などによって様々ですが、まずはじめにタイミング療法を行うことが多いです。タイミング療法を4周期から6周期行っても妊娠しなかった場合、人工授精の適応となります。

人工授精は、精子が子宮内に入るのをサポートすることが目的であるため、精子の状態が正常な場合は人工授精の有効性は低いとされています。

人工授精に向いているケース 人口受精に向いていないケース
・精子の数が少ない。
・性交後試験(フーナーテスト)で精子の子宮への侵入が良くない。
・膣内にうまく射精できないないが、用手的には射精できる。
・不妊の原因がわからずに夫婦とも希望がある。
・精子に問題がない。
・女性の年齢が高い。

 

方法

精子の洗浄濃縮法などによって精漿を取り除き、運動精子のみを濃縮したものを専用の注入器を使って子宮の中に注入します。基本的に麻酔はしません。痛みの感じ方は様々ですが、それほど強い痛みはないと言われています。

人工授精の流れ

人工授精の流れ
人工授精の流れは大きく8つのステップで行われていきます。

①排卵誘発剤を使用するかどうかの検討(前周期から生理開始頃)

妊娠の確率を上げるために、排卵誘発剤を使うことがあります。この場合、卵胞が複数育って受精することがあるため、多胎妊娠の可能性があります。

ケースによっては、自然周期でも行うことが可能です。自然周期で行う場合、予め医師と相談していれば、この時期の受診は不要になることが多いです。

② 超音波検査(生理開始9−10日目頃から排卵直前)

受診の時期は病院にもよりますが、卵胞の大きさや状態を観察していきます。排卵日を正確に特定するために超音波検査で卵胞の大きさを測り、子宮内膜の厚みを計測します。

生理から排卵までの期間は個人差があります、卵胞の状態により、タイミングよく人工授精を行うために複数回の超音波検査があります。血液検査でエストロゲン(E2)を測り、ホルモンの状態を確認することもあります。

③ 当日のスケジュール決定(排卵直前)

排卵日の特定後は、人工授精の実施日時や精子の準備方法などを相談して決めます。この時に、排卵を促す注射をすることが多いです。

④ 精液採取(当日)

旦那さんの精子を採取してもらい、遠心分離器にかけて洗浄・濃縮して準備しておきます。当日に精子を採取できない場合は、予め凍結しておいた精子を使うことも可能です。

精子を採取する場所を病院内に用意している施設もあります。病院以外で採取する場合、できるだけ早く実施機関に持っていくと良いでしょう。その際には、人肌程度の温もりがある方が良いとされています。

冷やしたり、不要に温めたりしないようにしましょう。

⑤ 人工授精(当日)

内診台で専用の器具を使用して、洗浄・濃縮した精子を子宮の中に注入します。手技自体は、スムーズに進めば5分もかかりません。

基本的に麻酔は使いません。病院によって人工授精後の安静時間は違いますが、15分程度です。その後は、生活上特別な制限はありません。

⑥ 黄体補充(人工授精当日以降)

黄体機能の低下がある場合は、人工授精の後に黄体ホルモンを使います。黄体ホルモンには、内服薬と注射がありますが、どちらを使用するかは医師と相談して決めます。

⑦ 人工授精後の超音波検査(人工授精から数日後)

超音波検査で、きちんと排卵したかどうかの確認をします。まれに排卵せずに黄体化未破裂卵胞(LUF)となることがあり、その多くは生理の時には消えています。施設によってはこの確認をしないこともあります。

⑧ 妊娠判定検査(生理予定日以降)

次の生理の予定日以降に生理がない場合、妊娠しているかどうかの判定をします。

βHCGを血液検査したり、尿で妊娠反応を見たりします。市販の検査薬を使ってご自分でする方も多いです。

3. 人工授精の費用

施設によりますが、人工授精の費用はおおよそ1万5000円から3万円くらいかかります。保険はききません。

東京都内のクリニックが設定している費用の例を挙げてみました。2万円から3万円前後の費用がかかります。

病院名 費用
六本木レディースクリニック 24,840円
東京HARTクリニック 32,400円
リプロダクションクリニック東京 20,000円

4. 人工授精のリスク

人工授精のリスク

人工授精のリスクに関しては、妊婦の体に対してのリスクと、赤ちゃんへのリスクに分けてご説明させていただきます。

① 女性の体へのリスク

子宮に専用の器具を使って精子を送り込むため、感染の可能性は否定できません。しかし、器具は滅菌処理されたものを使用するため、感染の確率は高くありません。

また、器具を使うために子宮への刺激となり、多少の出血や下腹部の痛みを伴うことがあります。生理よりは少ない出血で、生理痛よりも軽くすむことが多いです。

また、排卵誘発剤などのホルモン剤を使用した場合、卵巣刺激症候群になる可能性があり、卵巣が腫れることがあります。また、複数の排卵が起こることもあり、多胎妊娠の確率が20%から30%ほどになるとされています。

② 赤ちゃんへのリスク

人工授精は、精子を子宮内に人工的に注入するだけです、その後は、本来の子宮や精子の力で受精、着床と進んでいきますので、赤ちゃんの先天性異常などの発生率自体は、自然妊娠と変わりません。

また、妊娠経過や分娩経過も自然妊娠と人工授精では、変わりありません。

5. 人工授精での妊娠の確率

厚生労働省の発表では、人工授精で妊娠する方の約90%は4回から6回目までに成功しているとされています。

現在、全国的に統一された人工授精に関するデータはなく、施設独自で公開しているのが現状です。

女性側と男性側の不妊の原因とその程度によりますし、排卵誘発剤の使用の有無、その他の条件により正確な確率を出すのは難しいです。

また、各施設で妊娠何週までを妊娠率としてデータに出しているのか統一されていないのです。

ある東京都内にある銀座レディースクリニックが2014年の人工授精のデータを公開していました。

全体的にそれほど高くありませんが、年齢が上がるほど妊娠率はさらに低くなることがわかります。

このデータによると、1回の人工授精で5−12%が妊娠しており、6か月で30%が妊娠しているという計算です。

年齢 妊娠率
35歳以下 14.0%
36歳 ~ 39歳以下 6.4%
40歳 – 43歳 6.5%
44歳 以上 1.6%
平均 7.6%

6. 人工授精から体外受精へステップアップ

人工授精からのステップアップ

人工授精を4回から6回実施しても妊娠しない場合、体外受精へのステップアップを考える目安になります。なぜならば、人工授精で妊娠する約9割の人は、4回から6回のうちに妊娠するからです。でも、女性の年齢や精子の状態によってもっと早く体外受精にステップアップするほうが良い場合もあります。

女性の年齢や卵巣機能 人工授精の回数
年齢が若く、卵巣年齢も問題ないケース 6回程度 (約半年間)
35歳以上または、卵巣機能が軽度~中等度低下しているケース 4回程度
40歳以上または、高度に卵巣機能が低下しているケース 2回程度

気になることがあれば気軽にご相談くださいね!

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