着床前診断とは?費用やリスクは?メリット、デメリットは?

着床前診断とは、別名を受精卵診断と呼ばれるスクリーニング検査です。受精卵が子宮に着床して妊娠する前に、受精卵の染色体や遺伝子に異常がないかどうかをスクリーニングします。そうすることで流産を防いだり、遺伝子疾患を生まれる前に発見する技術です。

着床前診断について知らない人も日本には多いでしょう。そこで、着床前診断はどんな検査なのか。費用がどれくらいかかるのか。診断のメリットやデメリット、着床前診断を実際に体験した方の感想を、簡単にご紹介したいと思います。

着床前診断は、主に2つに分類されます。1つ目が、特定の遺伝子以上を検査する”着床前診断(PDG)”と、2つ目が流産を減らし着床率をあげる目的で受精卵の染色体の数的異常に対するスクリーニングを行う”着床前スクリーニング(PGS)”があります。

着床前診断の流れ

検査

国内で検査を行う場合と、国外で行う場合で少し流れが変わってきます。それぞれ別々に見ていきましょう。着床前診断の流れは以下の通りです。

国内で行う場合は以下の通りです。

  1. 排卵誘発剤を投入します
  2. 採卵・採精をします
  3. 体外受精の実施
  4. 胚凍結
  5. 米国の検査機関に輸送
  6. 着床前診断
  7. 日本の医療機関に変装
  8. 胚移植
  9. 妊娠判定

国外で行う場合は以下の通りです。

  1. 排卵誘発剤を投入します
  2. 1回目の渡航
  3. 採卵・採精をします
  4. 帰国
  5. 体外受精の実施
  6. 着床前診断
  7. 胚凍結
  8. 2回目の渡航
  9. 胚移植
  10. 妊娠判定

着床前診断による妊娠率は?

確率

25 ~ 30%。自然の妊娠では体の中で受精した先述した数字が、流産や遺伝子疾患なく赤ちゃんとして生まれることが知られています。

これは、受精卵の多くに染色体異常があるため、着床しなかったり、着床しても流産や死産を起こしてしまったりする事が大きな原因の一つとなっています。

受精卵の内、染色体異常を持つものの割合は30歳以下の方で30%程度、35歳の方で40%程度、42歳の方ですと約80%にもなります(Reprogenetics研究所のデータ) 。

流産の多くが染色体以上できまってくるので、受精卵の状態で正常に生まれることができるかどうかがわかってしまうのです。

染色体に以上をもつ受精卵

染色体に異常をもつ受精卵の97%以上は着床しても流産、死産してしまいます。最も流産の可能性が低い21番染色体のトリソミーでも、流産、死産の確率は約8割にのぼります(沼部博直、産婦人科の世界 53, 771-781)。

一方、流産胎児の染色体を調べると71%に染色体異常が認められますが、新生児の染色体異常は1%以下ですから、染色体異常を持つ受精卵が妊娠しても殆どが流産してしまうことは明らかです。そこまで科学的に解き明かされているのです。

着床前診断のメリットとは?

着床前診断を受けると、もともと染色体異常で着床できなかった受精卵、あるいは流産する運命にあった受精卵を調べて、以上があるものを廃棄し、胎児として発育できる受精卵だけを子宮に戻すことができます。そのため流産予防できますし、遺伝子疾患のある受精卵の着床を防ぐことができます。

着床率を上げることが出来る

体外受精で胚盤胞移植を実施した場合、受精卵の着床率が30%から60%~80%と2倍になりました。染色体に以上がない遺伝子を利用することで、大幅に妊娠確率を上げることができるのです。

せっかく安くないお金と時間を叩いて体外受精をするなら、より確実に妊娠を進めたいため多くの人が着床前診断をセットで受けています。

流産を予防できる

染色体異常

流産の大きな原因は性染色の異常です。特に40代異常の方の場合は、流産の9割近くが染色体異常だと言われています。そのため、染色体異常がある場合は、極めて高い確率で流産、死産につながります。

上記グラフを見ての通り、20~40代でも60%近くが染色体に異常がみられるのです。この遺伝子異常をもつ受精卵を取り除けるのがメリットです。

体外受精の妊娠率を高めることができる

遺伝子以上を判別できるため、妊娠率を高めます。事前に遺伝子以上のない受精卵を選定し、健全な受精卵を子宮に戻します。確率的に一番高いものを選ぶことができるので現状では最良の受精卵を選ぶことが可能になります。

着床前診断による、産み分けは?

着床前診断のみが、男女の産み分けを確実に行うことができます。他にも酸性やアルカリ性を利用したタイミング法や、潤滑ゼリーを利用してpHをコントロールして産み分けを行う潤滑ゼリー法、分離試薬であるパーコールを精子にいれて遠心分離するパーコル方などがあります。

いずれの方法も50%くらいの確率になります。しかし着床前診断は受精卵が胚盤胞という状態まで成長した段階で確認を行うため確実に産み分けができるのです。

着床前診断で100%男女の産み分けが出来る!

2017.01.06

着床前診断の問題点・デメリットとは?

メリットデメリット

着床前診断を海外で行うのか、国内で行うかによってデメリットは変わってきます。一般的な着床診断におけるデメリットから、それぞれの場合におけるデメリットについて見ていきましょう。

時間的コスト(国内・海外)

海外で着床前診断を行う場合、2度にわたり1週間近くの渡航が必要になります。1度目は、夫婦そろっての渡航になるために夫婦で合わせて休暇をとらなければならず、大きな負担になります。1度ど住むケースもありますが、その場合2週間の滞在が必要です。

経済的コスト(国内・海外)

検査費用に、渡航費用、滞在費用を考えると500万近い費用(※体外受精の費用を含む)が必要になります。アジア圏の場合は250万程度でも可能ですが、いずれにしても安い金額ではないです。

加えてアジア圏での検査が、アメリカでの検査よりも費用が安いのは医療技術の差もありからです。より安全に検査を行いたい場合はアメリカで行い、500万程度の費用想定(※大概受精の費用を含む)が必要です。

受精卵作れないリスク(海外)

夫婦で海外に渡航、受精卵の培養を行うものの、必ずしも受精卵を培養できる保証はありません。正常な受精卵でも順調に培養が進むのは50%程度といわれております。受精卵が培養されなかった場合でも、海外への渡航費用、滞在費用、診療費は帰って来ず、着床前診断以外の費用がかかる形となってしまいます。

流産してしまった場合のリスク(海外)

海外で受精卵を無事に育った場合は、胚移植を行い日本に戻ります。そのまま順調に妊娠し、出産すれば問題ありませんが、流産してしまうこともあります。その際には、再度海外に渡航して胚移植が必要になるため、追加コストが発生します。

アメリカでなら滞在費用、渡航費用に加えて、100万程度が必要になることもあります。アジア圏であれば、150万程度が滞在費用、渡航費用に加えて必要になることもあります。

着床前診断の費用は?

着床前診断を含む体外受精の費用は上記でお伝えした通りですが、着床前診断単体での費用は。10万~80万まで様々なケースが見られています。

不妊治療の有名病院である神戸ARTレディスクリニックや、大谷レディスクリニック、セントマザー産婦人科医院では、だいたい10万前後の費用になります。

とはいえ各病院によって条件が多少異なってきておりますので、詳細を見ていきましょう。

神戸ARTレディスクリニックの費用は?

2017年4月1日以降価格改定がありました。シーケンサーを活用しての着床前診断の費用は、1回の採卵について検査させて頂く拡張胚盤胞5個までは1個にき7万円です。なので5個採取すれば35万円の費用がかかります。

6個目からは1個にき4万円、10個目からは1個につき3万円になります。これに消費税抜きの価格となります。

また、着床前診断は体外受精と受精卵の凍結、解凍がセットの場合のみ利用可能です。

セントマザー産婦人科医院費用は?

セントマザーではFISH診断を行います。費用は10万円ですが、使用する薬の容量によっても多少の変動があるようです。

FISH法は染色体の中にある特定の部位を検査する方法で、染色体の構造異常、数の異常を検出することが出来ます。

着床前診断の適応条件は?

judge

着床前診断を行う条件として、日本産科婦人科学会では、以下のように適応条件を設けています。

1. 原則として重篤な遺伝性疾患児を出産する可能性のある、遺伝子変異や染色体異常を保因する場合

2. 重篤な遺伝性疾患に加え、均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣流産(反復流産を含む)になっている場合

着床前診断の費用は?

相場として200万前後担っております。(※上記費用には国内での体外受精及び胚移植費用等は含まれておりません。

体外受精の費用の目安はおよそ 30 万円~50 万円程度、胚移植の費用の目安はおよそ 20 万円~30 万円程度です。実際の費用は、医療機関ごとに異なり、治療方針等により変動します)

追加費用

卵子の個数によって追加費用がかかります。ある会社Bでは、10個まで卵子検査をうけており、11個目から1個につき15万の費用が発生します。各エージェント、医療方針で条件は異なりますので確認が必要になります。

着床前診断に関する疑問

疑問

よくある疑問をまとめました。

着床前診断は違法ではないのか?

違法ではありません。日本産科婦人科学会の自主ルールによって制限があるのみです。そのため実施できない病院が多いのが事実です。あくまでも学会の自主ルールでしかないので、法的な規制は一切ありません。

欧米では一般的に行われている検査ですので、一部の国内の医師は学会の自主ルールに反対し、独自に着床前診断を実施している例もあります。

冷凍による受精卵の劣化はありませんか?

着床前診断ができる状態まで培養した受精卵は、「ガラス化法」と呼ばれる最新の技術で冷凍処置します。米国やタイなどの海外渡航タイプの場合でも、現在の最新の着床前診断には受精卵の冷凍が必須となっております。

この冷凍方法は日本および米国でも広く採用されています。近年の技術の向上により受精卵が劣化するリスクはほとんどなく、また従来のフレッシュ移植と比較すると、採卵直後の状態から子宮を休めて移植したほうが着床率が上がるというデータが出ています。

検査結果はいつごろわかりますか?

受精卵を海外に輸送後、通常3週間程度で検査結果が判明します。検査結果判明後、2週間ほどで染色体異常のない受精卵を日本の医療機関へ戻すことになります。

着床前診断が気になる方は

着床前診断は日本ではまだ受け入れられておりませんが、世界的には広く知れ渡っています。

あなたが子供が欲しいと切望するのであれば、利用することは妊娠率を高め、より安全に子供を産むことが可能にできる技術です。ぜひメリット、デメリットを鑑みた上で試してはいかがでしょうか。

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