妊婦が葉酸を必要な3つの理由とは?

葉酸とは妊娠において赤ちゃんの健康を守るのに重要です。障害なく無事に赤ちゃんと対面できるように、なぜ葉酸が必要なのか、いつから葉酸を飲むべきなのかをしっかりと理解しておきましょう。病院で葉酸の摂取について言われることも多いですが、まれに言われないこともありますのでしっかりとあなた自身で管理しましょう。

葉酸は妊娠初期から摂取することが大事です。なぜ重要なのか、その根拠はどこからきているのかについても医学的根拠から説明させていただきます。

妊娠と葉酸の関係性とは?

厚生労働省が中心に、妊活をしている女性にむけて葉酸を摂取を推奨しています。なぜなら、胎児の「神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)」の発症を防ぐことができるからとされているからです。「神経管閉鎖障害」はお腹の中の赤ちゃんに起こる先天的な障害の1つで、生まれてから赤ちゃんに重い障害が残る場合や、死産になってしまう場合があります。

近年の日本ではこういったケースも増加してきたため、厚生労働省からの注意喚起がなされています。葉酸の妊娠における重要性については欧米食や米国では世界の中でも、先立ってしられており、アメリカでは日常食に葉酸をいれるなどして、葉酸の摂取を積極的に推し進めています。

葉酸が妊娠において大事な理由とは?

重要な理由1:胎児の神経管障害発症を防ぐことができる

葉酸の摂取により、「神経管閉鎖障害」のリスクを大幅に下げることができます。神経管閉鎖肝障害は、先天異常です。神経管とは、お腹の赤ちゃんが成長しはじめる時期(※特に妊娠初期)に作られる器官です。

これが成長して脳や脊髄のもとになります。日本では、赤ちゃんは105万に生まれているますが、出生した赤ちゃん1万人に対して約6人の割合で神経管閉鎖障害がみられますが、この約60%は予防可能だとさてています。

具体的には神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症、脳瘤など)は、妊娠6週頃(受精後4週頃)に発症し、脳と脊髄の働 きを障害します。そのために妊活時期から妊娠初期には必ず葉酸を摂取する必要があります

 

二分脊椎(にぶんせきつい)
二分脊椎は、多くが出生後に治療を必要とします。出生後早期の背中の手術治療 のほか、水頭症、歩行障害、排泄障害などの治療、生涯にわたるリハビリテーションが必要になることがあります。神経管の下部に異常が生じると、下半身や膀胱・大腸の機能などに障害発生します。このことを二分脊椎といっています。日本では、神経管閉鎖障害のほとんどを占めています。
無脳症
神経管の上部に異常が生じた場合に、胎児の脳が正常に形成されません。これが無脳症で、流産や死産につながります。無脳症は生まれても生命の維持が難しく、脳瘤では瘤を取る手術をしても神経学的障害が残る可能性があります

重要な理由2:口蓋裂・口唇裂の予防ができる

葉酸を摂取することでリスク抑えれるある赤ちゃんの奇形に、口蓋裂(こうがいれつ)・口唇裂(こうしんれつ)があります。以下で、その症状と特徴を確認しておきましょう。

簡単にいうと口がさけてしまっていたりすることです。唇が花とつながってしまうケースもあります。それぞれぞれ詳しく見て見ましょう。

リスク1:口蓋裂
口蓋とは口の中の天井部分のこと。ここが裂けている先天異常が、口蓋裂です。
リスク2:口唇裂
その名の通り、唇が割れて裂けたようになってしまう先天異常です。奇形が唇だけでなく鼻まで届いてしまうこともあります。また、口蓋裂と合併して現れるケースもあります。

口蓋裂、口唇裂は、国内では生まれてくる赤ちゃんの500人に1人の割合で起きているといわれています。

重要な理由3:

葉酸はビタミンB群の水溶性ビタミンです。水溶性ビタミンとは、水に溶けやすいビタミンです。このビタミンは、血液中の赤血球をつくる働きをサポートする役割や、細胞の増殖を手助けする役割があります。

これは大人にも非常に重要な栄養素ですが、お腹の赤ちゃんはさらに重要になります。なぜなら、胎児は細胞を増殖させる必要があるため、その働きをサポートしてくれるからです。そのため葉酸がより重要なのです。お腹の赤ちゃんの成長のために、妊娠前~妊娠初期にかけて摂取することが重要とされています。

特に妊娠1カ月前は食事からだけでなく、サプリメントでの摂取を推奨されています。なぜなら妊活時期はなかなか食事だけでは必要量の栄養素を十分摂取することができないからです。

葉酸が神経管障害の発症リスクを低減する6つの根拠

明確に葉酸の不足が神経管障害の原因と解明されていませんでしたが、これまでの研究結果から葉酸と妊娠における神経管障害の関連が明確担ってきました。

根拠1:免疫学の研究から成果が得られた!

諸外国で行われた複数のいわゆる栄養補助食品を用いた疫学研究の結果において、 葉酸が神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するというほぼ一致した成績が得られたことで、信頼性があがった。

根拠2:医学的に示されている

葉酸の代謝物が神経管閉鎖障害の発症機序に関与するという医学的な根拠が示されていること。

根拠3:日本だけではなく、諸外国でもおこなわれている

欧米諸国を中心に1990年代よりこの事実は発覚し、葉酸摂取による神経管閉鎖障害の発症リスクの低減対策が、世界的に実施されていること。

根拠4:米国データが増えてきてた。

1980年代以降の出生前診断技術の向上に伴う人工妊娠中絶などの影響により、神経管閉鎖障害の発症リスクの低減の効果は必ずしも明確ではないことがわかっている。しかし最近の米国サウスカロライナのデータから葉酸摂取による神経管閉鎖障害の発症リスク低減の効果が示唆されてきた。

根拠5:中国の研究成果をもとに日本でも実績が推定された

中国南部での介入研究を含む最近の研究の成果をもとに評価を試みたところ、我が国においても葉酸摂取により神経管閉鎖障害の一定の発症リスクの低減が推定されること。

根拠6:二分脊椎の発症が高まり、葉酸との関連性が見られてる

我が国においても、近年、二分脊椎の発症が増加傾向にあること、また食生活の多様化により、食物摂取の個人格差が大きくなり、葉酸摂取が不十分な者が増加する懸念もあること。そこから関連性が想定されることがよくされている。

妊娠初期の葉酸摂取において注意する点は?

 サプリメントを併用すると吸収率が2倍になる!

サプリメントなどの栄養補助食品から葉酸を摂取することを厚生労働省が推奨しています。食事に加えて400マイクログラムは、サプリメントで摂取することが推奨されているのです。

サプリメントで葉酸を摂取する理由は、シンプルです。一般の食品に含まれる「葉酸」と比較した時に、サプリメント含まれている「モノグルタミン酸型の葉酸」は吸収効率が約2倍あると言われています。そのためサプリメントにて葉酸をとることが推奨されているのです。

そのため、食事でむりに葉酸をとろうとするより、サプリメントを活用して効率的に葉酸を摂取しましょう!

サプリメントを摂取しすぎないこと

なにごとも適切量があります。体にいい物質だからといって飲みすぎはよくありません。むしろ逆効果になります。葉酸の1日の上限摂取量は「1,000マイクログラム(μg)」とされています。パッケージに記載の適切量を飲むようにしましょう。

▪️参考
神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に関する情報提供要領

東京大学教育学部卒業後、国立医学部に再入学。都内クリニックにて産婦人科医として勤務。年間 200 名以上の不妊治療の相談にのっています。趣味はホットヨガと、トレイルランです。基礎体力をつけるために日々健康的な暮らしを心がけています。気軽にご質問ください。