不妊症とは?

不妊症とは2年以上性生活を行なっても妊娠しないことを言います。ただし現代では高齢出産がの割合が上がっていることもあり臨床的には1年で妊娠しなければ不妊検査をすすめることが一般的になっています。大きくは女性が原因の不妊症と、男性が原因の不妊症に分かれます。それぞれ見ていきましょう。

通常1年で80%、2年90%のカップルが妊娠するといわれていいますが、35歳以上の場合は早期にクリニックや医師に相談することで、正しく対策する方よいでしょう。なぜなら35歳以降の妊娠確率がグッとおちていくからです。

ストレスや、肥満、感染症、タバコは不妊と関係すると言われることも多いですが、不妊の原因に関する臨床的見解についてお伝えしていきます。

女性原因の不妊症

女性の不妊の原因
1. 内分泌/排卵因子
  • ストレス
  • 体重減少
  • 高プロラクチン血症
  • 多嚢胞性卵巣症候群
  • 双発卵巣不全
  • 内分泌/代謝疾患
2. 卵管因子
  • 卵管閉塞、狭窄(クラミジア感染など)
  • 卵管周囲癒着(骨盤腹膜炎、下腹部手術既往など)
  • 卵管留水症
3. 子宮因子
  • 子宮奇形
  • 子宮発育不全
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎
  • アッシャーマン症候群
4. 頸管因子
  • 頸管円
  • 頸管粘液産生不全
5. その他
  • 子宮内膜症
  • 黄体機能不全
  • 膣因子(処女膜閉鎖、膣閉鎖、膣欠損)
高齢化と共に卵子も老化します。卵子は老化するほど、妊娠、出産率は落ちていきます。
不育症の割合

不育症とは?

2018年7月29日

男性原因の不妊症

1. 造精機能障害
  • 精索静脈瘤
  • 停留精巣
  • 染色体異常(クラインフェルター症候群等)
  • 視床下部下垂体機能障害
  • 化学的、環境的要因
  • 精巣炎
2. 精子の通過経路障害
  • 先天的な発育不全
  • 精管欠損症
  • 両側精巣上体炎
  • 医原性(鼠経ヘルニア手術に伴う損傷)
  • 卵管周囲癒着(骨盤腹膜炎、下腹部手術既往など)

 

3. 性機能(勃起、射精)障害
  • ED
  • 神経損傷
  • 逆行性射精
  • 遅漏、早漏
4.内性器の炎症による影響
  • 性嚢炎
  • 精巣上体炎
  • 前立線炎

 

不妊症の治療の流れ

不妊治療の流れ

不妊治療の全体の流れとしては、下記のようにステップアップして進んでいきます。

  1. 不妊検査
  2. タイミング法
  3. 人工授精
  4. 体外受精
  5. 顕微受精
  6. 卵子提供
  7. 代理出産

それぞれ課題は様々ですが、まず不妊症をうただっているタイミングであれば、1年間はタイミング法で排卵のタイミングに合わせて性行為をするところからはじまります。

 

不妊の原因と検査の流れ

不妊検査の流れ

不妊は上記にも記載の通り多様な原因で起こります。そのため原因ごとに系統的に調べて行く必要があります。スクリーニング検査を月経2周期以内で終えることを目安に疑いのあるい因子の項目に対して詳細の2次検査を行なっていきます

不妊検査に加えて妊娠する際の安全性を担保するために、妊娠した場合に問題がないかの検査もあわせておこないます。

内分泌・排卵因子に原因がある場合

基礎体温や、ホルモン測定( LH, FSH, PRL, プロゲステン、エストラジオール)や、超音波検査で問題が発覚した場合は、内分泌/ 排卵因子に問題がある可能性があります。

その場合は、下記の2次検査に進みます。

  • ゲスターゲン試験
  • GnRH検査
  • 甲状腺機能検査
  • 耐糖能検査
  • TRH検査
  • 染色体検査

子宮因子に原因ある場合

超音波検査、子宮卵管造形検査によって子宮因子に問題が発覚した場合は、下記の二次検査に進みます。

  • 子宮鏡検査
  • CT, MRI検査

卵管/腹膜因子に原因がある場合

クラミジア検査、子宮卵管造形検査で卵管/腹膜因子に問題があると疑いのある場合は、下記の二次検査に進みます。

  • 腹腔鏡検査

免疫因子に原因のある場合

フーナーテストの結果免疫因子に問題があると診断がでたら、下記の二次検査に進みます。

  • 精子不動化試験
  • イムノビーズテスト

男性因子に原因がある場合

精液検査の結果、男性因子に問題があると診断がでたら、下記の二次検査に進みます。

  • 内分泌検査
  • 精管造形
  • 精巣生検
  • 染色体検査

 

このように原因も検査も複雑でなかなかわかり伝らいと思いますので、一度クリニックにいって医師に相談してみることからはじめるとよいでしょう。

参考
1.  厚生労働省:不妊治療をめぐる現状不妊治療の流れ
2. セントマザー産婦人科医
3. 日本産科婦人科学会の生殖補助医療のデータ
4. 日本産婦人科学会 ARTデータ
5.日本産婦人科協会の不妊症の定義